大池で早梅を狙っていたら、ある母と息子の姿が視界に入った。
子供は、母に背を向けながらどんどんと斜面を登って行く。
母親は心配そうに、その様子を注視したが、彼の行動を動かずに、しばらく見ていた。
子供は元気よく進み、振り返ると、母親との距離感を感じ、不安で泣き出した。
その時、母はゆっくりと子供に近づき、彼を抱き上げた。
母の行動は適切だったと思った。
子供はいずれ独立する。いつまでも自分の所有物ではない。
そうあっては、いけない。そんな母の思いを感じさせてくれた。
良い光景に出会ったと思いシャッターを切った。
コメント
コメント一覧 (2)
ソフトでほんのりとした色調の中にレイアウトされた、親子の姿が印象的です。何のてらいも無く、自然に撮影されたショットにも、ストーリ―性を込める事が、出来るのですね。写真を学ぶ事は、撮り方だけではなく、同時に観方も加味される様に感じます。
ご指摘の通り、写真は美的なものを撮り、それを肯定するだけではないと思います。人間にはその人の果たす役割や営みがあります。それを一瞬で捉え、描写することも写真に与えられた重要な課題だと思っています。