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当時はスペイン風邪が流行り、多くの人命が失われた。
昨今のコロナ禍でも「100年前のスペイン風邪は・・・」などと取りざたされている。
今から102年前、芥川龍之介はこの地で執筆活動をしていた。
芥川もスペイン風邪にかかり、衰弱し、辞世の句まで詠んでいる。
下宿先だった野間西洋洗濯屋(現存しない)あたりから由比ガ浜へ出てみた。
海っぺりだから、当時とそんなには変わらない景色のはずだ。
芥川は病弱だったが泳ぎが得意で、よくこの海で泳いだという。

帰りに、しっとりとした釜揚げシラスを求めて直売所に行けば、今日はしけたので、漁に出られず、
「ちりめんじゃこしかない」と、不愛想に言われる。
トホホ・・・。
夜、酒のつまみに、カリカリに乾燥したちりめんじゃこをほおばれば、
塩気が勝った海の味がした。